前回まではフィールド活動(ラウンダー活動)によって得られる情報の活用方法について、「立場・役割編」「目的編」に分けてお伝えしました。今回からはフィールド活動(ラウンダー活動)をさらに強化するために見直すべきポイントを数回に分けてお伝えしていきます。まず、今回はフィールド活動(ラウンダー活動)の再設定についてです。
組織小売流通における店頭とは、消費者が直接商品に触れ、購入するか否かを決定する場のことをいいます。言い換えれば、メーカーが商品を通じて直接消費者とコミュニケーションがとれる場とも言えます。つまり店頭におけるフィールド活動(ラウンダー活動)とは、消費者とのコミュニケーションを強化する活動であり、自社商品を消費者にしっかりと知ってもらい購入してもらうための環境作りをする活動なのです。このような前提で、具体的にフィールド活動(ラウンダー活動)の目的を設定するには、まずそれぞれの企業が抱えている組織小売流通での営業上の問題点や課題を浮き彫りにする必要があります。その後で、店頭のフィールド活動(ラウンダー活動)で検証・解決できる内容に絞り込みます。そして、具体的に現状を把握するためには、下記のような項目を一つ一つ丁寧に整理・検証していくことが必要です。必ずしも全てのケースに当てはまるわけではありませんが、概ね必要な項目は網羅されていると思いますのでご参考ください。
営業部門体制とフィールド活動(ラウンダー活動)にて解決すべき課題
- -営業部門の活動
- 対象チェーン本部担当者
- 本部商談タイミング
- 認識されている課題、店頭での問題
- 定番商品配荷率が低い
- 商品補充が徹底できていない
- 本部企画が店頭で徹底できていない など
- これまでの小売店からクライアントへのニーズ・要望
- フィールド活動(ラウンダー活動)で改善・実現したい店頭の変化は何か?
- 定番商品の配荷率向上
- フェーショングの維持・管理
- 品薄商品補充による機械損失の最小化
- フェース拡大
- 大量陳列
- 店舗との良好な関係構築 など
競合他社について
- 営業部門の活動
- 競合の強いカテゴリー・アイテム
- クライアントの強み・または強い商品カテゴリー、アイテム
取り扱い商品について
- 営業部門の活動
- 商品
- 社内で用いている商品カテゴリー分類などがあるか?
- 今回のフィールド業務対象チェーンにて活動を行う商品カテゴリーについて
カテゴリー1( 商品A / 商品B )
カテゴリー2( 商品C / 商品D / 商品E )
カテゴリー3( 商品F / 商品G )
カテゴリー4( 商品H / 商品I )
カテゴリー5( 商品J / 商品K ) - 対象チェーンでの商品展開場所は、どこがメインとなるか?
- 専用什器などを設置しているカテゴリー商品はあるか?
- 専用什器以外に陳列方法には、どのような方法があるか?
ハンガー什器陳列
カートンなどの専用什器陳列
- 対象チェーンにおける定番アイテム数はどのくらいか?
- 新商品はどのくらいの頻度で発売されるか?新商品は通常、店舗送り込みか?
- 発注単位はどのような単位か?
店頭活動について
- 営業部門の活動
- どのくらいの頻度で月次重点活動が発生するか?
- 特売はあるか?どのくらいの頻度で行われるか?
- 店頭での販促物・POPなどはどのようなものがあるか?
- 商品ポスター
- スイングPOP
- トップボード
- 棚帯
- 専用陳列什器
- 液晶TV など
- 棚替えはどのくらいの頻度で発生するか?また、どのくらいの商品が入れ替わるか?
- 棚板の追加等、什器の設置・変更作業は発生するか?
- 商品の取り扱い特性(店舗担当者の対応について)
- 店頭での返品について
- バックヤードに在庫はあるか?
- 商談のメインとなる店舗担当の方はどのような商品管轄をしているか?