前回は、既にフィールド活動(ラウンダー活動)を導入しているがうまくいっていないケースとしてよく聞かれる3つの理由と、フィールド活動(ラウンダー活動)による市場実行力(店頭実現力)強化の流れを説明しました。
一口に組織小売流通といっても、実際には規模により様々なタイプに分けられます。 大きくはナショナルチェーンとリージョナルチェーンの2つに分けられます。
この2つの違いについてはこの場で説明するまでもありませんが、多くのメーカーはそれぞれに対応した営業体制を組んでいることが一般的です。
下記のフローチャートは極端な事例かもしれませんが、ナショナルチェーン本部担当者は全国店舗担当者に販促計画内容を直接伝えており、リージョナルチェーン本部担当者は店舗担当者と同様の各エリア(支店・営業所)に所属し、販促計画を店舗担当者に直接伝えています。
一方で定例の会議運営は販促企画担当者が各チェーンの販促計画をとりまとめ、会議資料を作成して全体会議を運営しています。そしてさらに店舗担当者向けの会議を各エリアの店舗担当窓口担当者が運営しています。
多かれ少なかれどの企業でも、上記のような非常に複雑な業務指示が行われているのが実態です。
このような指示命令系統での運営では、組織全体で情報連携や役割分担、業務の優先順位付けを明確にしたうえでスケジュール化し、各セクションがルールを順守することが求められます。 それでは、どのようにすれば上記の指示命令系統を理想的に運営できるのでしょうか。
まず、お勧めするのが、現状把握のために「本部営業から店頭活動に至るまでの業務プロセスを、フローチャートに置き換える」という作業です。
この作業により、指示命令系統の流れがスムーズに行われているのかどうか、課題や問題点を具体的に把握できるようになります。
このフローチャートを作成する上でのポイントは、2つのPDCAプロセスにのっとって整理をすることです。 下記の業務プロセスフローチャートは、情報連携の標準化のために、各営業部門の役割を明確にしながら作成した一般的なものです。 皆様の社内での指示命令系統はいかがでしょうか?
次回は、全社的に情報連携を行う場合の最も重要な部分について説明したいと思います。