今回も、フィールドスタッフ(ラウンダースタッフ)の契約形態の特徴について具体的に説明していきたいと思います。
前回は「派遣契約社員」にてフィールド活動(ラウンダー活動)体制をとっている場合の特徴を解説しましたが、今回は「業務請負活用型(時間単位契約)」にてフィールド活動(ラウンダー活動)体制をとっている場合の特徴を解説していきます。
【業務請負活用型(時間単位契約)によるフィールド活動(ラウンダー活動)を行っているケース】
- 従来より、フィールド業務において、最もポピュラーに活用されている契約スタイル。
- 勤務形態は、直行直帰型や朝出社型等様々であるが活動時間ベースの契約が基本となる。
- 請負業者が業務を受託するため、スタッフロイヤリティは直接契約社員と比べれば低くなるが、会社の考え方・商品知識・短期的な販促計画であれば内容を十分に理解して活動できる。
- 複数年継続して活動しているスタッフも多く、社員より店頭スキルが高く、店舗情報に詳しい熟練者が多い。
- 売り場づくりに関しても、プロ意識が高くきめ細やかな店頭フィールド活動(ラウンダー活動)を行える。
- 但し、コンプライアンスの問題が表面化して大分改善されたものの、残業時間発生時において、契約規程上活動前後1時間を残業に含めなかったり、クライアント企業が直接指示命令を行ったりする等、請負契約を企業に都合よく解釈して運用するケースもみられる。
- 指示命令は、請負業者が行うことになっており、クライアント営業担当者とフィールドスタッフ(ラウンダースタッフ)が常に連絡が取れる環境を構築し、指示命令を行うことは違法である。
- 業務指示書等、請負業者が作成伝達し、日常のオペレーションも行うことが前提条件である。
- 上記のリスクを認識せずこのタイプの契約を行っている企業も多いが、ここ1〜2年の社会における企業のあり方が厳しく問われている中では、早急の意識改革と体制見直しが必要である。
- コンプライアンスを順守することで、クライアント営業担当者がフィールドスタッフ(ラウンダースタッフ)に直接指示が出せなくなり、請負企業を経由しなければならなくなったため、フィールドスタッフ(ラウンダースタッフ)を社員のように活用してきた企業にとっては、従来の直接連絡できる体制を請負会社に強要しがちであるが、違法発覚による企業ブランドの棄損リスクを鑑みれば、割に合わない要求であることを営業担当者レベルにまで徹底しておくべきである。
- したがって、体制の見直しにあたり請負業者を再選定する場合は、コスト面は勿論であるが、運営オペレーション管理体制および教育体制、クライアントとの情報連携のスキル、ITシステム環境整備、活動分析力、活動改善力等の要件を整理した上で、複数の業者を比較検討し、信頼できる企業に依頼することが、体制強化に繋げるためにも近道になる。
次回は、「業務請負活用型(業務単位契約)」の契約形態の特徴について説明していきます。